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人付き合いが苦手、自責の念を感じていた過去の自分。天風先生の教えに出会い、自分で自分自身を苦しめていたことを知り、本来の自分らしさに気が付きました。楽しいことをたくさん自分に味合わせたい、今はそう思います。
仕事でプラシーボ効果を目の当たりにしました。心が病に打ち克つ時、驚くべき結果となることを患者さんから学びました。
そして今、私は、誰かの人生の小さな力になりたい、と思っています。

本来の自分らしさに気が付く

私は医療関係の仕事をしていた時に心身のバランスを崩してしまったことがあります。相手を気遣いしすぎてしまい、結局自分が疲れてしまうことが多々ありました。さらに人に頼ることが苦手で一人で抱え込んでしまって、問題が起こると自分自身を責めてしまうような性格でした。

ある時、新人担当になった時に、通常業務と新人指導でキャパシティーオーバーに。さらに同時期に一人の患者さんの死に向き合いました。患者さんやご遺族へのケアが何もできなかったという思いに駆られ、落ち込みました。気が付けば精神的、身体的にもどん底でした。心身のバランスは取り戻したものの、また同じことが起こるのではないかと不安でした。

2011年7月、縁があり天風会に入会しました。入会して、自分の心の使い方が間違っていたことを知りました。なぜ自分の手で、自分自身をこんなに苦しめていたのかと思いました。私の心の叫びが身体に表れていたのに、信号を無視し続けていたことにも気が付きました。天風先生は「持たなくてもいい重い荷物を誰に頼まれもしないのに、一生懸命ぶら下げていないか」とおっしゃっています。入会前の私は両手に重い荷物を抱えていました。また、「人生とは、自分の命に喜びを出来るだけ多く味あわせるようにとするところに、本当の生きがいがある」ともおっしゃっています。楽しい方向から物事を捉えることでいきることが本当に楽になりました。

これを読まれていらっしゃる方の中にも、私と同じような経験をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。私も心身のバランスを崩した時に、この状況から抜け出して自分を変えたいと思っていましたが、何をしてどのように変わればいいのか分からずにいました。私は天風会に入会して周囲が驚くほどに変わりました。「本来の自分らしさはこうだったんだ」ということに気が付きました。

心の力は凄い!

私は現在医薬品の開発に携わっており、「プラシーボ効果」を目の当たりにすることが多く有ります。「プラシーボ効果」とは有効成分を含まない薬を飲んでも、薬を飲んだだけで心理的作用が働き、効果を表すことがあることです

今までどんな治療をしても治らなかった皮膚疾患をお持ちの患者さんがいらっしゃいました。医薬品の開発では、有効成分を含む薬と有効成分を含まない薬を使って、開発中の薬の効果をはかることがあります。患者さんは「この薬で治る」と強く思っていらっしゃいました。薬を使うと、日々症状は改善され、今まで治らなかった症状が全て消えてしまいました。医薬品の開発が終わりに近づき、患者さんが有効成分を含む薬剤を使っていたのかどうか蓋を開けてみると、その患者さんは有効成分を含まない薬を使っていました。その結果に医師も非常に驚いていました。

天風先生は「病のとき心がもしも病に負ければ、治る病も治りはしません。反対に医者がさじを投げ、だんぜん治らないと決められたような病でも、心が病に打ち克っているような、積極的精神の状態であると、その病が治らないまでも、医者がびっくりするほど長生きをするというような場合が、実際にしばしばあるものです。」とおっしゃっています。患者さんの事例を目の当たりにして、心の力の偉大さを改めて感じました。

私の幸せ

天風先生は「人を喜ばせて、自分がまた、その人と共に喜ぶということがいちばん尊いことなんだ」とおっしゃっています。また、境遇改善の誦句の中で「私は 私の思考並びに私の言語が、私に近づく者のすべての悉くに、喜びとたのしみを与えるよう心がけよう」という一節があります。今、私のなりたい姿は天風先生のこの言葉です。ただただ、誰かと笑い、喜び、楽しみ、誰かの人生の小さな小さな力になれたら、私はとても幸せです。

高松 陽子 | クリニカル リサーチ コーディネーター