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~はじめに~

子育ては、子どもを巣立たせ一人前にさせるという、すごい仕事だと思います。
いっぽうで、「子育てはたいへん」という話を聞くことも多く、子育てに対してネガティブなイメージを持っている人もいるのではと思います。
天風哲学は様々な場面で活用できるのが魅力の一つです。
天風哲学を学ぶ子育て中や、経験者の会員で座談会を行いました。
子育てに悩まれている方やこれから父親母親になる方の参考になればと思います。

―では、まず自己紹介からお願いします。

Aさん(男性)天風会は10年と少し。離婚を経験して一人で子育てをする中で、天風会に入会する前と後とでは子供に対する接し方がかなり変わってきたなと感じています。子どもは今21歳になりました。3歳のから小学校1年までは2人で生活し、その後は私の実家で祖父母に手伝ってもらいながら子育てをしてきました。その後、再婚はしていません。
Bさん(女性)シングルマザーで、子どもは​娘が大学2年生で、息子が高校1年生です。天風会は10年くらいになります。入会2年目で別居して、3年目くらいで上の子が中学1年生、下の子が小学2年生のときに離婚しました。実家は事情もあり頼れないので、それからは一人でファミリーサポートを利用したり、友達とか友達のおばあちゃんとかも全部巻き込んで(笑)助けてもらいながら、会社の育児短時間勤務とかも利用して、どうにかこうにかやって参りました。
Cさん(女性)子どもは娘で、29歳と16歳。上の子はもう嫁にいって孫もできました。下の子は高校1年生です。
Dさん(女性)天風会入会は平成11年ですが、父も天風会員で、父を通じて天風先生の教えが身近にある環境で育ちました。
それで学生時代から、父に天風会の青年部があるから行ってみてはと勧められ、クリスマス会やいろんな行事にも参加し、和気あいあいとしている光景をよく見ていました。そういう環境で育ちましたが、そのときは大きな悩みとかもなかったので継続はしなかったんです。自分自身で意思をもって入会したのは平成11年です。
子どもは高校1年生の15歳と、中学2年生の13歳の女の子2人で、子育て真っ最中です。
Eさん(男性。Dさんの夫)私は平成元年に天風会に入会しました。きっかけは日本経済新聞に載っていた天風先生の『成功の実現』に興味をもち、天風先生の弟子の倉田主税さんが日立製作所の二代目社長で私の会社の先輩だったと知り、倉田さんを尊敬していたものですから、それで天風会に入ったら同じ会社の会員もいて、そんな先輩にも可愛がられてずっと続いています。今年で30年目ですが、日曜日の午前中は日曜行修会、というふうに人生のパターンができています。

親子で参加する夏期修練会の楽しみ

―天風会では毎年夏に各地で修練会を開催しています。修練会は大人だけでなく、お子さんと一緒に参加されるご家族も多いですね。

Dさん 天風会でEさんと知り合って結婚しましたので、胎教から始まって子育て中もずっと天風会の夏期修練会や日曜行修会にきていました。天風先生のお言葉で、「皆の英気の中に寝かせておけばいい」とありましたので、赤ちゃんの頃から連れて来ていました。
赤ちゃんのうちは座布団に寝かせていて、天風式坐禅法のときなどは、泣き出してしまうと別室に移動したり大変だったのですが、スタッフの方が「あなた偉いわねえ、こんな小さいのに連れてきて」と言ってもらい、支えになりました。天風会に来ることは「この子のためになる」と思っていました。
だんだん大きくなってきて子どもの班に入れるようになってきたら、子どもたち同士でワークとか気持ちと気持ちが通じ合う実験とか楽しんでくれました。子供たちが「出来たー」と喜んでいると、大人たちに「すごいねー」と言ってもらえるので、すごく楽しんでいるようでした。そのうち友達同士お互いに育って夏期修練会のたびに会うのが楽しみで、そういう経験はとても楽しかったですね。
Bさん 私も小さいときから子どもを連れて修練会に来ていました。天風式坐禅法のときなどはじっとしていられなかったんですが、そのときスタッフの方が別室で面倒みてくださってすごく助かりました。子どもも同じくらいの友だちがいるから、外でワーワー遊んでいました。実験のときは子どもって直感がすごいから、大人がなかなか当たらないのに、すぐ分かってしまって、「あっ、1回で分かったの、すごいねえ」ってみんな褒めてくれるのが嬉しかったようです。
Dさん そうそう、うちでもそうです。
Aさん 僕も参加しました。平成20、21年くらいから子どもを参加させたんですけど、多分皆さんのお子さんたちと一緒だったんだと思います。気持ちと気持ちが通じ合う実験とかは確かにすごく上手でしたね。

不登校卒業

―天風会に来るようになって不登校だったお子さんが、学校に行けるようになったそうですね。

Bさん 小さいときから連れてきていると、思春期になっていきなり天風会行こうといっても説明が難しいところ、割と自然に連れていけますね。
去年、大学1年生の娘が急に「大学辞めたい」って言いだしました。「えっ、せっかく入ったのに」と思ったのですが、これは心が弱っているんだなと余計なことは言わず、「ママさあ、多武峰の修練会に行くから一緒に行こう。多武峰行って4日間一緒に考えて、それから決めれば」と誘ったんです。「うーん、行くかあ」みたいな感じで、すんなりその気になったんです。
実は弟のほうが問題があって、不登校になっていて全然学校に行けなかったんです。息子は修練会に行きそうにもなかったので声もかけなかったのですが、お姉ちゃんの方から弟に「私も行くから一緒に行こう!」と声をかけて、結局3人一緒で参加しました。私が言ってたらついてこなかったんだと思います。

―親の立場としては難しいですよね。

Bさん 班分けで息子は別の部屋になりました。息子のチームの班長さんに「息子をよろしく」とお願いしたんですけど、やっぱり初日、2日目くらいは部屋に引きこもって本を読んだりしていて修練会に出なかったんです。それを班長さんが部屋に呼びに行って連れ出してくれたり、1日のプログラムが終わって部屋に帰ると同じ部屋の人が面倒見てくれたり、大学生のお兄さん達に仲良くしてもらいました。うちの子は不登校だったので修学旅行に行ってなかったんですが、最後の方は修学旅行っぽくって、本人にとってもよかったなあ、と親としては思いました。

―いい経験になりましたね。

Bさん その後2学期になっても相変わらず不登校だったので、何か変わったのか変わってないのか分からなったのですが、12月に急に学校に行ってくれるようになったんです。
Dさん それは、良かったですねえ。
Bさん 1年8カ月不登校だったんですけど、3学期からポツポツ行くようになりました。中学3年生なので受験も前向きにやってくれて、無事に進学先も決まりました。
Dさん すごいじゃないですか。多武峰での修練会が心が動くきっかけになったんじゃないんですか。
Bさん 会員の方に、やっぱり息子さんがたいへんだった時期がある方がいて、経験した親じゃないと分からないからとすごく相談に乗ってくれたんです。
その方が天風会の音楽サークルでギターをされていたんです。うちの子もギターをやっていて、不登校中に自分の部屋で弾いていたんですけど、「もっとうまくなりたいから習いに行きたい」と言い出したので、それで「天風会に音楽サークルあるからギター教えてもらえるかもしれない。一緒に行く?」と訊いたら意外にすっとついてきて。またタイミングよく、「年末の望年会で演奏をするから毎週練習に来なさい」と言われて。みんな「うまい、うまい、毎週来なさいよ」と言ってくれるので、行くたびに積極パワーをいただいて、そんなこともあって、急に12月になって学校に行き始めたんです。

―潜在意識に前向きの気持ちが自然に入って行ったんですね。

子どもにかける寝がけの暗示

―天風先生は寝る前の自己暗示法を教えてくださっています。

Bさん 息子が不登校だった時に先輩会員から、寝ているとき子供の額に手を当ててて、「お前信念強くなる」ってやりなさいって言われたんです。起きてるときは嫌がられるから寝ているときがチャンスよと言われて。息子は夜中までゲームをやってたりして私が会社に行くときも寝ていることが多くて、それまでは出がけに「ああ、また寝てる!」って思っていたのが、「あっ、寝てる。チャンス!」って(笑)。
Dさん 私は胎教からやってましたけど、生まれてからも5分間暗示というのをやっていていました。寝がけの5分間がノンレム睡眠に脳波がなっているので一番暗示が入り易いんですよ。小さい時は「あなたは世の中の役に立つ立派な人になるのよ」と言ってました。子育ての大きな目標は「世の中に役立つ立派な人に育てること」ですから。
最近も下の子がなかなか朝起きないので、「明日は早く起きてスッキリ気分で学校に行く」と寝がけの暗示をやったんですよ。そしたら、バッと起きて、サッと学校に行ったんです。
その子は特にずっと小さいときから「お前信念強くなる」とちゃんと鏡の前でやって寝る子で、一人で親戚の家に行った時もやっているようで、「ずっと続けていることをやらないのは、なんか悪いと思って」と言うんです。
Aさん 私も、息子が思春期のときに、学校は行ってたんですが、ゲームをずっとやっていて何もやる気が起きないような状態になったときがあって、その時寝がけの暗示をやったんです。毎日、中学1年から高校に行くまでやりましたね。それで乗り越えてくれたかなというところはありましたね。
朝起きるときもやりました。起こすときに額に指を置いて、前の晩かけた言葉と同じことを、「お前はそうなった」と断定して起こすようにしたんですよ。毎日、毎日。

―それはお子さんは気が付いてらっしゃるんですか。

Aさん いや、全く気がついてないです。子どもが勉強をやる気になってからも、自分ではそれが原因だとは全く思ってないです。私はそれが原因だと思っているんですが。
Dさん 思春期は難しい年頃なので、親の方からそういう働きかけをするのが大事ですね。
Aさん そうですね。ついつい子どもの心を追いかけちゃうんですよね。何考えているんだろうと。どう思っているだろうって、子どもが何考えているかわからないので、ついつい邪推しちゃうんですね。だからもう、暗示をかけるだけにしようと思いました。

思いがあれば伝わる

Cさん 実は今うちの子も不登校なんです。上の子も中学2年生から不登校で、高校に行って寮に入っていて離れていたので、そのときは天風会に入ってなくて方法が分からず、もうとにかく年がら年じゅう娘のことばかり考えていて、それもマイナス思考で。心配するとおりになっていくので、天風会で勉強していくと、その通りだったなと思いました。それで上の子にはかわいそうな事をしたなと思いますが、何とか乗り越えてくれました。
ただ下の子も不登校で、今は高校2年なんですが、中学のときからか寮に入っていたので、学校に行ってるかどうか分からなかったんです。
担任から娘が学校に来ていないと連絡を受けて、「また下の子も不登校か! 親のどこが悪かったんだろう」と夫と2人で悩みました。
天風会に入ってからは、この子は私たちを勉強させるための課題をくれているんだと思うようになったのと、この子はすごい子になると、ずっと思い続けているんです。だから離れていても、思い出したら「うちの子にはエネルギーが入ってくる」と、言っていたんです。
この子はすごい子になると、迷わず思うようになってからは、少しずつ動き出しました。寮をやめて自宅へ戻ったんです。去年のゴールデンウィークに帰ってきたときはまだ学校に行ってなかったんですが、それが9月くらいから行き始めたんです。単位のこともあるので、最近はポツポツ学校に行っています。

―やはり母親の強い思いは通じるのですね。

Cさん なるべく待っているようにしました。娘が何か言うまでは何にも催促ごとは言わない。「今日学校に行くの?行かないの?」とも言わない。「明日行くよ」と言われたら、「そう」と言うだけ。学校に行くのに3時間かかるんですよ。でも定期券を買ってと言い出したし、土曜や日曜に友だちに会うと言って昼間に出かけるようになったし。私はこの子が選んでいる道が必ずあるんだと思って、私にできることは娘を信じて思い続けることだけかなと、それと寄り添っているだけかなと思いながら見守っているんです。

―どこまで待てるか。焦らないことが大事なんですね。

Cさん そうですね。この間は、「私学校辞める、課題ができないから辞める」って言いだしたんです。それで「ああ、私はこの子に何が言えるだろう。格好いい事は言えないし、やっぱり学校に行きなさいとか言わなくちゃならないかな」って思ったんですけど、その時思わず「お母さんはここまで人生やってきて、この人生があるのは今迄いろんなことあったのが100パーセント活かされてここにいるよ。未来を作るのは今だよ」って私の人生経験を2、3言ったんです。そしたらそれが効いたのかまた少しずつやり出したんです。

子どもを見守る愛

Eさん 僕は子どもに話すときも、マイナスの言葉は言わないようにしています。言霊というように言葉には力がありますから、選んで言葉を使っています。
Aさん 天風会に入ってからは確かに子どもにかける何気ない言葉でも、マイナスのことは言わなくなりました。昔は押し付けるようなことを言っていたんですが、父親だけなもので、こうしろ、ああしろと、こうあるべきだ的なところが結構あったんですが、そういうのは全く言わなくなりました。
子どもってわりと自分が一生懸命やっていることを、結構マイナスに捉えるじゃないですか。難しいんじゃないかとか、できないんじゃないかとか。そういうときに昔は、「そんなことはないよ、頑張れば出来る」みたいな感じで言ったんですけど、天風会に入ってからは、「大丈夫だよ、なんとかなる」みたいな感じで言うようになりましたね。あまり強制しないというか。学校に行くときも、送り出すときに前は「頑張れよ」みたいな、天風会に入ってからは「今日もいっぱい楽しんでこいよ」と、そういう感じかな。
Dさん わあ、すごい、愛がありますね。
Eさん 子どもの小学校に「おやじの会」というのがあって、20人くらい、父親と子どもが集まって畑仕事をするんです。私はみんなを指導して、耕運機で耕して畝(うね)の山を作って種芋を植えて水やりをして、終わった後はご苦労さんと親同士は美味しいお食事を囲みながら話し合い、、子どもは学校の体育館で遊ぶんです。父親同士様々な意見が出て、アドバイスをし合ったり情報交換をして元気になって帰るんです。
お父さんたちが笑顔になって帰って、子どもたちも友達ができる。そうやって地域に貢献する。子どもを見守るということでは、そういう父親の参加も大事なんだと思うんです。
Cさん 子育てには苦労があるから、いろいろ深い思いをするから、あとからが楽しみだと思うんです。上の娘を見ていると強いなあと思います。やはり乗り越えてきた過程があったからです。

―子育ては教科書通りではないという事ですね。

Eさん 畑も去年と同じようにやればうまく育つと思っていたら、結果は連作が難しかったんです。
Cさん 同じようにやればいいと思っていると、努力しなくなってしまう。
Eさん 子育ても一緒で、正解なんてないので、ケースバイケースでどれだけ対応努力できるかですね。

―今日はありがとうございました