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中村天風財団では、全国の公認の会を7ブロックに分け、各ブロックでイベントなどを企画する「100周年記念プロジェクト」を行っています。

創立100周年記念 特別企画in九州は2日間にわたって開催されました。

(1)10月12日 特別講演会

第1日目10月12日は九州ブロック特別講演会、約100名のお客様にお集まりいだだきました。

第1部は堀田亜希子講師の「ほんとうの人間の力」~心はいつも楽しみたがっているのです~中村天風哲学の視点。初めての方にもわかりやすく、人間が幸せに生きる為の心の使い方やどんな時も喜びと感謝にふりかえる心の積極性についてご講演をいただきました。

そして、第2部はスペシャルゲスト、講談師神田紅氏をお迎えし、講演「大声と笑いで生きる明日への活力」、それから講談「中村天風伝」。さらに講談「山岡鉄舟」をご披露いただきました。


(神田紅さん)

神田紅さんが講談「中村天風伝」を創作されたのは、天風先生が大好きだからだそうです。そして、師匠の神田山陽先生とイメージがダブるからともおっしゃっていました。師匠山陽先生はとても前向きで楽しい人だったそうです。病院に入院されている時も、今生きることだけを考えていたそうです。そしていつも笑顔で迎えてくれたとおっしゃっていました。神田紅さんも、一生師匠のように今と明日を見つめて生きようと思っているとお話しされていました。神田紅さんの明るく元気な笑顔、そして楽しいお話に会場中が元気に包まれました。

そして、この講演会では、講談を聞いているだけではありません。お客様といっしょに練習して、突然会場で選ばれた3名の方にステージで実際に講談の一節を実演をしてもらいました。みなさんとても上手にできました。


(左:神田紅さん、右:堀田亜希子講師)

 

2)10月13日バスツアー

創立100周年イベント2日目10月3日は「中村天風のゆかりの地をたずねて」と題しまして、天風先生のゆかりの地をまわるバスツアーを開催いたしました。

コースは福岡市の「崇福寺」→大牟田市の「慧日寺」→柳川市の「御花」までを1日かけてまわります。

約30人の参加者が午前9:00博多駅に集合し、まずは福岡市東区千代のある「崇福寺」からスタート。ここには天風先生の師匠「頭山満翁」のお墓、玄洋社墓地があります。崇福寺に到着すると立派な山門があります。この山門は福岡城本丸表御門を移築したそうです。表御門から入り境内を散策、境内の北側には福岡藩主黒田家の歴代藩主の墓があり、大河ドラマ「軍師官兵衛」で有名な黒田如水や、その子で初代福岡藩主の黒田長政ら歴代藩主が眠っています。そして左手の一区画に玄洋社墓地がありました。この中に天風先生が自分の親と同じとして終生尊敬した頭山満翁のお墓があります。3基並んだお墓の中央が玄洋社の総師頭山満翁、左側にその師匠で玄洋社の生みの母と言われた高場乱、右側に来島常喜のお墓があります。


(崇福寺の玄洋社墓地)

 


(頭山満翁のお墓)

「天風先生が尊敬する人物ってどんな人だったのだろう」と参加者はみんなワクワクです。ガイド(九州の会 古賀佐三代表)から

・若い頃の天風先生は手が付けられず16歳の時頭山翁の書生として預けられた。

・玄洋社でもその勝気な性格から玄洋社の豹と呼ばれた。

・天風先生の本名は中村三郎だが「天風」の名は天風先生が得意としていた柳川藩の随変流抜刀術の型である「天風」(あまつかぜ)から頭山満翁が命名したもの。

などの説明があり、参加者のみなさまも、若かりし頃の天風先生と福岡県との繋がりに思いを馳せながら、じっと耳を傾けていらっしゃいました。

境内には願掛け地蔵さんとして福岡市民の崇敬を集める旭地蔵尊があり、お地蔵さんが沢山おられました。参加者のみなさまはそれぞれにお参りをしたり、お饅頭を食べたりと少しゆっくりし、そして次の目的地、大牟田市「慧日寺」に向かいます。

慧日寺は柳川藩家老小野家の菩提寺。そして天風先生のお父様とお母様のお墓があります。天風先生のお父様のお姉さまがこの小野家に嫁がれました。お父様はお姉さまのことを大変敬慕されており、82歳でお亡くなりになる時に自分の墓はお姉さまの傍らにと遺言されたため、天風先生がここ小野家菩提寺の慧日寺に両親のお墓を建立したそうです。墓石の裏には中村三郎(天風先生の本名)施主と記されていました。「天風先生のご両親のお墓参りができるとは!」とみなさん感動!手を合わせてお参りする姿がしばらく続きます。「ここに来ることが出来てよかった!」「うれしい!」と、みんなの感想がきかれます。


(慧日寺にある天風先生のご両親のお墓)

そしてこの小野家、ジョン・レノンの妻、オノ・ヨーコさんも小野家の一族だそうです。今度はみんなビックリ!!説明板を熱心に読まれていました。

そろそろお腹も空いてきた頃、昼食会場の御花がある柳川市へ向かいます。

御花は柳川藩主立花家の邸宅・庭園で1738年に建てられました。地名が御花畠(おはなばたけ)だったことから御花と呼ばれるようになったそうです。現在は料亭・旅館となっており庭園「松壽園」は国の名勝に指定されています。本日はこちらで柳川名物「うなぎのせいろ蒸し」をいただきます。美しい日本庭園を眺めながらのお食事はまた格別!優雅な気分でうなぎ料理を堪能し、みなさん大満足。食事の後は自由行動、迎賓館として建てられた西洋館や大広間がある和館、和館から一望できる庭園を、みなさんうっとりと眺めていらっしゃいました。


(庭園「松壽園」での参加者の様子)

天風先生ゆかりの地をまわり、「天風先生と福岡の繋がりがわかった。」「参加してよかった。」と楽しんでいただけた様子。全員で記念写真を撮って解散いたしました。

創立100周年記念事業 九州ブロック実行委員
(2020.1.16掲載)