中村天風財団では、全国の公認の会を7ブロックに分け、各ブロックでイベントなどを企画する「100周年記念プロジェクト」を行っています。
記念事業の企画にあたり、関西ブロックの会員に意見を募ったところ、ゲスト講師による講演会や記念式典、SNSの活用など、さまざまな提案をいただきました。また、2年前に京都の西芝代表と岡田幸仁講師との間で「この教えをクラブチームに伝えていきたい」と意気投合し、クラブチームをターゲットとした企画を、2018年度から京都の会で試みてきました。これらを受け、関西ブロックの記念事業として以下の展開を図ってきました。
1.公開講座「大谷翔平選手が学ぶ、中村天風の教えとは!」
2018年度から京都の会で行っているクラブチームをターゲットにした公開講座を3回シリーズで開催しました。
講師は、ご自身も野球部の監督をされていた岡田講師にお願いし、初回は「心は体を支配する」をテーマに11月23日に行いました。会場である京都文教大学野球部の学生も参加し、計60名が参加。基本姿勢や良いイメージを強く持つことなど、皆さん興味深く聞かれていました。終了後のアンケートでは、このような講座を今後も聞きたいと答えた学生が大半を占め、好印象を残せたのではないかと感じました。
2回目は12月7日に開催しました。期末試験や試合などと重なっていましたが、京都の高校サッカー部の学生も参加され、「心は運命を支配する」をテーマに計61名の参加を得ることができました。京都の高校サッカー部の皆さんは昨年も参加しており、昨年の講座で練習や日常生活で実践された内容がありますかとアンケートにおいてお聞きしたところ、呼吸法や常に笑って生活することといった回答があり、実践に結びついていることに大きな喜びを感じました。
3回目は2月15日の開催となり、新型コロナウィルスの感染が広がっている中、開催が危ぶまれましたが、各自マスクを着用するなど対策をとり予定通りに行うことができました。今回は大阪の会員からのご縁で、愛知の野球クラブに所属する中学生とその保護者が参加し、「心は人生を支配する」をテーマに計86名という昨年からの開催の中で最も多い参加人数となりました。岡田講師から、クンバハカ体勢や呼吸法などの指導があり、皆さん真剣に深く聞き入っておられ、「新型コロナウィルスの報道が続く中、心が晴れて良かったです」といった感想をいただきました。
この公開講座は、今後も続けていきたいと考えており、参加された方が、その後の日常生活やクラブ練習などでどのように活かしておられるのかをお聞きしながら、開催方法などを検討して参りたいと考えています。
2.特別講演会「哲人に感謝」、懇親会
1月19日にTKP大阪本町カンファレンスセンターを会場として、特別講演会と懇親会を開催しました。「哲人に感謝」の演題で今川得之亮講師による特別講演会は、145名が参加され盛大に開催することが出来ました。
今川講師からは、天風先生とのご縁を頂いたことに感謝するとともに、「教えを自力で実践していると誰かが手助けをしてくれる。それが運と呼ばれるものである。」そして、天風先生がこの教えを創設された目的を、我々のいのちを安全な場所に移して、安心して生活することと捉えて、安定打坐法や気持ちを切り替える方法などを教わりました。参加者からは「日常生活の中で実践していきたい」と決意を新たにしたとの声を多く聞くことができました。
講演会終了後の懇親会では、全国各地から93名の参加をいただき、意見交換など親交を深めることが出来ました。
3. 天風会ゆかりの地をホームページで案内
その他に、天風会ゆかりの地をホームページで案内していこうと、大正13年に初めて大阪で講演をされた中之島公会堂をはじめ、その後、よく講習会で使われた曾根崎小学校をHPにUPしました。今後、京都、香里をはじめ、神戸など関西地区を中心に、どのような案内が良いのか検討して参りたいと考えています。
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見えないけれど在るもの
今回、京都文教大学の教室をお借りして公開講座を開催する運びとなったのですが、奇しくもこの大学の前身は家政学園で、昭和35年と36年に修練会が行われた学校であることが分かりました。また、2020年3月号の志るべに紹介されたように、神戸・中国・四国ブロックが開催された特別講演会の会場は、昭和14年に神戸支部の設立記念が執り行われた湊川神社であり、これらはそういう意図ではなく、自然の流れで会場が決まっていきました。この出来事から、今川講師が講演でお話された、「教えを実践していたら誰かが助け・応援してくれるよ」という言葉に、見えないけれど在るもの(繋がっているもの)を実感し、なにかしら大きな力が背後に働いていることに大きな喜びと自信を持つことができました。