中村天風財団OFFICIAL書籍・CDサイト

今から32年前、当時35歳の私は、いわゆる自律神経失調症の状態でした。今でいうパニック障害のような精神疾患の状態でした。
そんな私が、中村天風の言葉のチカラ(誦句集)に出会ったことで、私の人生は積極の方向に大きく舵を切ることができたのです。私の命が輝きはじめたのでした。

キッカケは誦句集、つまり天風哲人の言霊でした。

ある時、埼玉県の川越市で私の友人の友人という方に初めてお会いした時のことです。彼はポケットから一冊の黒い手帳を取り出して私に見せてくれました。巡り巡って手にしたというその黒い手帳が何なのかは、彼自身も知らなかったようでした。
私が手帳を手にした瞬間に目に入った言葉は、《私は力だ!》の文字でした。《私は力だ、力の結晶だ。何物にも打ち克つ力の結晶だ!》。・・・・・驚きを超えた感覚でした!
そうです、私の天風会とのご縁は天風師の“言霊”だったのです。
その後、心身統一法をひたむきに学び続けた私は、病を治そうとするのではなく、私自身が変わることが大切なのだと気づきました。2年後ぐらいだったでしょうか、当然のように私はもう病のことをほとんど気に掛けることはなくなりました。

経営とは、喜びを産み出すことだと教えていただきました。

天風哲学を学んでいると、『まごころこそがチカラを持つ』ということに気づきます。
お客様はもちろんですが、家族のようにいつも一緒の時間を共有しているスタッフの本当の喜び、報酬や休日や役職などといった目先の次元を超えた、スタッフにとっての『ほんものの喜びとは何か』を探し求めるようになりました。
“キゴコチのいい家”のスローガンのもとに、家づくりのプロを標榜する当社は、設計、営業、施工とそれぞれの部署でたくさんの課題を抱えながらも、《まごころの家づくりで社会の発展に貢献する》ことを、経営理念の第一番目に掲げています。

人生とは自己の生命に、喜びをできるだけ多く味あわせようとするところに本当の生きがいがある

中村天風のいうところの喜びとは何を指すのか?私が生涯求め続けるテーマの一つです。
師はこう諭します。
『難しく考えることはないんだよ、わかりやすくいえば、いつも“人のためになることをする”という目標をもって生活をすることなのだ。これを霊性満足の生活と呼ぶのだよ。』・・・・・。
本心良心が満足する生活には失望や落胆はありません。従って無駄な消耗も疲労もない、その生命に報われる喜びでどんどんエネルギーが補充されてくるのです。そして必然的に自分の心が純化されてきます。私たちの心が気高い心に変移してまいります。これこそが本物の喜びに繋がるのだと教えてくれるのです。

村里やすゆき | 住宅会社経営(キゴコチのいい家)