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中村天風財団では、全国の公認の会を7ブロックに分け、各ブロックでイベントなどを企画する「100周年記念プロジェクト」を行っています。

北海道の会が担当する北海道ブロックでは、2019年10月12日に「人生100年時代を楽しく創造的に生きる〜心の健康法〜」というタイトルでセミナーを開催しました。


(当日の会場の様子)

北海道ブロックでは、100周年にふさわしい企画を考える中で、天風哲学を知らない30代から40代の一般の方に向けて、社会的にも注目を集める「ライフシフト・人生100年時代」をテーマにしたセミナーを企画しました。
人生100年時代という新たなライフスタイルと、天風哲学の親和性は高く、人生100年時代をどのように積極性を持って生きていくかということを模索するセミナーとなりました。

佐藤等公認会計士事務所所長でドラッカー学会理事の佐藤等氏、メンタルトレーナーでオフィスブルーム代表の花咲ともみ氏、中村天風財団講師の宮井芳行氏とともに合計3名の講師陣によるセミナーとなりました。

(北海道の会代表 石川氏による司会)

広報においても、従来実施していた新聞広告ではなく、FacebookとPeatixによるインターネット広告を掲載し、Peatixによる電子チケット購入(スマホを通してクレジットカードで購入)を導入しました。

(1)第1部

第1部の佐藤等講師には
「人生100年時代を幸せに生きるために~見えない資産づくりを始める~」
という題目で基調講演をしていただきました。


(佐藤等氏)

・100年ライフが始まる中で社会常識がリセットされ、誰もが社会の変化に関わることとなる。社会において、制度は後追いであり、変化が必ず先に来る。我々は変化に、先に対応しなければならない。
そのために、いつまでも若々しく生き、心身を整えていく必要がある。
・世間のニュースで年金が不足する「2000万円問題」が騒がれているが、みな見えるものばかりに囚われている。
本当に大事なものは見えないもので、基盤となるのは心身。
と提案されました。

(2)第2部

第2部の花咲ともみ講師には、
「ワーク&ライフ・エンゲージメントを高めるメンタルケア」
という題目でお話をいただきました。

(花咲氏)

・ワークは仕事、ライフは人生。
ワーク&ライフ・エンゲージメントとは、仕事や人生に関して持つポジティブで充実した心理状態のことで、活力や熱意があり、高い集中力で物事に取り組むことを目指すもの。脳の感情部分を手術で除去せざるを得なかった人の、手術後の足跡を追った話があり、「感情は意思決定をつかさどる」との結論へ至った。
・中村天風が「心の思いが人生を創る」と述べているように「心のあり方、使い方」をどのように高めていくか、「感情のマネジメント」がこれからの人生100年時代で求められる。
・心臓の鼓動のリズムは、「フラストレーションの状態」では大きく不安定に波打つ一方で、「感謝の状態」では安定して波打つと心電図で分かっている。
中村天風が「何をする場合でも、現在恵まれていることに感謝しなさい」と述べたように、感謝の科学的な効果が明らかになってきた。

最後には、会場全員で呼吸を意識した感謝の瞑想を行い、締めくくりました。
心や感謝を具体的に説明し、現代の心理学と、天風哲学との共通点を分かりやすく説明していただきました。

(3)第3部

最後の第3部で、中村天風財団の宮井芳行講師には
「AI・ロボット時代を幸せに生きるために」
という題目でお話をいただきました。

(宮井氏)

人生100年時代を幸せに生きるために、AIやロボットがますます進出してくる時代になるからこそ、様々な人とのつながりを持ち、困難をチャンスと考える強い心を持つことが重要となる。
心を積極化するための簡単な暗示法をいくつか紹介すると
1.人にイラッとした時に「この人が幸せでありますように」と3回心の中で呟く。
2.寝る前に鏡に顔を映し、眉間に向かって「おまえ心が強くなる」とか、「おまえ英語が好きになる」、「あなたは心が元気になる」などと呟く。
3.心が楽しくなることを考えて寝る。
4.朝起きたら「今日おれは心が強くなった」と断定する。
などがある。

講演だけでなく、後出しジャンケンという実験を行い、ジャンケンの勝ち負けを通じて、潜在意識が持つ影響力の強さを分かりやすく実感させ、場を盛り上げていただきました。
最後は「世界一うるさい瞑想法かもしれない」と銘打って、ブザーを使用した安定打坐で締めくくりました。

(手を一回パンと叩いて行う安定打坐法の解説)

(4)最後に

中村天風財団の講演会や行修会には参加したことの無い方にも多くご来場していただきました。
終了後、「新しい視点で分かりやすかった」「気づきの多い時間となった」などの感想をいただきました。また、第1部の中で、100年ライフを生きるための「変身資産」として「多様な人的ネットワーク」が例に上げられましたが、中村天風財団の集まりに参加する中で、自然と人的ネットワークが増えていき、変化に強くなりながら成長できているとの声もありました。

北海道ブロックの100周年企画は終わりましたが、北海道の会は、101年目以降も新しい試みを継続して、様々な年代の方と天風哲学を楽しんで学んでいけるように日々工夫していきたいと考えております。

創立100周年記念事業 北海道ブロック実行委員
(2019.12.13掲載)